僕が所属している結社の結社誌「塔」5月号が届きました。
今号では永田和宏さんの欄で選をいただいております。
小包に冬の隠れた跡のある冬も二月は寒いのだろう
まなうらの夜風に触れる心地してやり直せないこともしようか
平日を流れる川に会いにゆくそこにしかない本読むひかり
ビル群を使って風はみずからをくしけずりたり春にそなえて
出し抜けの開花予想にまぎれ込み往復書簡消息を絶つ
ひかりからひかりへ手渡しされるもの照らしてほしい人の横顔
休日の君に似ているものがある商店街のはじまるところ
選歌後記でビル群の歌を引いていただきました。楽しい発想だという評とともに、結句が余分との指摘。確かに、言いたいことを言い切れずに持て余した七音だったようにも思う。春に備えていることを自分の中で納得できていたら、結句には持ってこないで四句にしたかもしれない。あとからくっつけたと思われても仕方ないし、せっかくの発想を深掘りできなかったことが悔やまれます。
前の4月号で中村成吾さんによる「二月号 若葉集(梶原さい子選)評」の中で一首引いていただいていたのを読み落としていて、紹介できていなかった。改めてここでお礼と紹介。
電車には種類があってしばらくはあまり遠くへ行かない電車
二月号掲載の短歌なので、11月頃に郵送したはずだから、多分、島根から帰ってきて間もない時期に作ったものだと思う。島根まで、飛行機は使わずに陸路で行った。帰りも4時間ほどかけて特急と新幹線を乗り継いで帰ってきた。そのあとしばらく遠出の予定がなく、電車といえば通勤電車ばかりだったので、浮かんだのだと思う。そんな背景があるからこそ、中村さんには不思議な広がりのある歌と評していただいて嬉しかった。
さて、今号でも「三月号 若葉集(岡部史選)評」で山桜桃えみさんに一首引いていただきました。
なんとなく持ち主に似てきたような君の洗濯物を干したり
今号掲載の最後の歌も、「君と似たもの」についてだった。無意識に、探しているのかもしれない。それから山桜桃さんには以前、短歌ユニットsankakuが毎号やっている一首評のリレーでも取り上げていただいたことがあり、今回は誌面で、とても嬉しい気持ち。ありがとうございます。
7月に予定していた文学フリマ香川への参加は、抽選に漏れたので取りやめにして少し落ち込んでいたけれど、そういえば「塔短歌会70周年記念全国大会 in 京都 2024」があった! と思い出し、沈んだ気分が盛り返してきた。もうなにがなんでも京都へ行くよ。楽しみができたので、進んでゆけます。
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