5月26日、翌日歌会で「神宮球場で六大学野球を観戦しながらの吟行」を敢行した。2週間前の時点で天気予報には雨マークが付いていたけれど、毎日眺めていると、曇りマークになり、また雨マークがつき、白い曇りマークになり、と大気の流れを感じることができた。当日は写真の通り、すごい晴れ。日焼け止めを塗るという考えのない人間なので、2時間程度の観戦で顔と腕と膝が真っ赤に。
試合カードは立教大vs東大。初回から立教大が2点を取ってリード。東大はなかなかヒットが出ず、僕らは歌会会場へ移動するべくゲームセットを見ずに球場を後にしてしまったが、5-0で立教大が勝ったことを移動中の電車で確認した。
1人2首、球場から会場までの約40分ほどの移動の間に提出してもらい、詠草をみんなにスプレッドシートで共有。詠草集は各自手書きで、選は行わないいつもの「一首鑑賞スタイル」で互いの目の付け所の違いや、各人のこれまでのスポーツとの関わり、スポーツを詠んだ先行歌(いつも事前にテーマに沿った作品を集めたレジュメを作成している)との比較などを通してテーマを深めた。
裏口感すごい神宮球場ライト側の入り口
外苑の銀杏並木はこんなに緑
次回のテーマは何にしよう。そういうのを考えるところからもう次の歌会は始まっていて、だからこそ楽しい。もう7回目となったけれど、主催するのはいつも大変。でも、慣れて、小手先でやってしまってもいけないと思う。
時を同じくして、同じ日に、ラグビーのリーグONEの決勝が隣の国立競技場で行われていた。リーチ・マイケル率いるブレイブルーパスと現役引退を発表した堀江翔太を擁するワイルドナイツ。東芝とパナソニックで電気屋対決。遅ればせながら録画で試合を観た。
試合は、ブレイブルーパスが勝利し、リーチ・マイケルがキャリアの中で初の「優勝」を手にした。今まで優勝したことなかったなんて、驚き。一方、ブーツを脱ぐ(ラグビーで選手を引退することをそう言う)堀江翔太は、試合後のインタビューでこう語った。
「生まれ変わってももうラグビーはしません。十分、もうそれくらい十分ラグビーしてきて、幸せなラグビー人生歩めてきたと思う」
僕も、生まれ変わっても短歌を詠まなくていいくらい今世で短歌に打ち込んでおこうと思った。でもどうすればいい? どうしたら、そんな風に、もう十分だ、って言えるだろう。芸術や文芸に終わりなどないと言うけれど、本当だろうか。一生続ける、なんてこと言ってないで、もうダメだ、もう無理だ、もう十分だ、もうやりたくないって思いたい。