2024年6月2日日曜日

【日記14】最近の読書〜徳島

『生成と消滅の精神史』をようやく読み終えた。4月の終わりに読み始めたから1ヶ月かかったことになる。最近の読書の中ではダントツに長い。第Ⅰ部西洋編の後半に入る第3章あたりからほぼほぼ理解できなくなってきて、でもなんとか我慢して第Ⅱ部に入れば日本編だからまた少し理解が追いついてくるだろうと思ったら、夏目漱石の話になった段階でもう全く分からなくなった。書いてあることが理解できないまま文字だけを追いかけるという状態が多分半月ほど続いた。もうカバーを外して本棚に挿してしまいたかったけれど、〈「心を持つことのコスト」〉という文字を見たとき、この時代が向かおうとしている先がかすかに、おぼろげながら、感じられた気がした。多くの、そして大きな役割を担いすぎている「心」から、人々は解放されたがっているのかもしれない。確かに「心」なんてものがなければ、楽だろう。でも、いつか「心」を手放す時がきたとして、楽になれたという実感や快楽はそう長く続かないのではないか。この、楽というのはなんだろう、どうして楽になろうとしたのだろうかと、人々は再び「心」を手に入れる長い旅に出てしまう気がする。ならばきっと僕らは今、人々が新たな旅に出るために「心」を手放していくその途上にいるのだ。その中で引き裂かれていく人々を、何は見放し、何は繫ぎ止めるのか。そして自分はどうか。6月はそんな風にスタートを切ることとなった。

少し戻って、5月。徳島にある「泊まれる本屋まるとしかく」さんに歌集を置いていただけることになった。これはもうひとえに徳島の友人のおかげ。嬉しくてみんなに言った。店主さんは本と相談しながらお店のどこに置くか決めてくださるとのこと。きっとこれまでもそうやって出来上がってきたお店なのだろう。僕から離れて、まるとしかくさんの中で、その街の中で、歌集たちはどういう役割を与えられるのか、どういう存在になっていくのか、自分の歌集が環境からどんな要請を受けてどう変化していくのか、それがとても楽しみ。


0 件のコメント:

コメントを投稿