2024年8月10日土曜日

【日記20】クーラー効かない〜レテ〜強い励ましの言葉

7月28日、翌日歌会。
親父のことでいっぱいいっぱいの中、いつも以上にメンバーの力を借りて、なんとか開くことができました。クーラーも効かないくらい暑い日でした。歌会のあとはアイスを食べて、飲みたい人は缶ビールやらサワーを飲んで、短歌のことをずっと話していました。

7月29日、小俵鱚太さんの『レテ/移動祝祭日』が届く。家に帰って、ポストに楽しみにしていた歌集が入ってるとお礼を言いたくなる。


たたずまいが、もう

小俵さんが「ナビを無視して」で〈第2回 笹井宏之賞 長嶋有賞〉を受賞されたのが2020年、発表号の「ねむらない樹」Vol.4は2月発売で、僕はまだ短歌をやっていなかった。当然持っていなかったので、歌集を読み終える前に電子版で買い、選考座談会も合わせて読んだ。長嶋有は座談会で<この作品は向日性がある。固有名詞、商品名の選び方がジャストという感じがしました>と言っている。その時代や世代に固有名詞を使ってイメージを伝える、作り出すのが得意な作家といえば村上春樹だと僕は思っているけれど、実は小俵さんも村上春樹の作品をよく読んでいたんじゃないかなんて気がしてる。カティーサーク、マツダ、ペペロンチーノ(スパゲッティ)、アイロン、などなど村上春樹作品では馴染みのあるアイテムが出てくる。もちろん勝手な妄想だけど。
この歌集はこの先の人生で折に触れて読み返すだろうという予感がしてる。


郷土史家になると母へ告ぐ夢の待ちきれなくてするループタイ

耳の穴のサイズは生まれたときのままらしいね、からの横顔祭り

「ちょっとだけ持っててくれる?」と渡されたカバンが重くてまた好きになる

二年空けてまた火のついたその恋を〈鳳凰編〉と呼んでいたこと

ピーコックが坂の入り口と出口のどちらにもあり魔除けなのかな

ナビを無視し続けたまま海へ出た記憶を撫でて眠りたいのだ

うつくしい日に手を繋ぐ 本当にふたりきりだとおもってしまった

棋士のごとくジブリを見せる順番を組み立てながら眠ってしまった

小俵鱚太『レテ/移動祝祭日』(書肆侃々房)


好きな歌たくさんあります。ちなみにピーコックは確かに魚藍坂の上と下にある。高輪魚藍坂店が下、三田伊皿子店が上。聖地巡礼でもしてみようかしら。

8月4日、京急富岡駅の近くに新しくできた「瀾書店」さんへ。僕の歌集を置いてくださっている徳島の「泊まれる本屋 まるとしかく」さんとご縁があるようで、自分も縁を感じて突撃しました。と言っても最初は静かに棚を眺めて、永井宏さんの『夏みかんの午後』があったので購入。そのあとで、色々と徳島のことなどをお話しして、オススメのハンバーガー屋さん「SUN COAST」を教えていただき、ビール飲んで、ハンバーガーを食べて帰りました。

その時に話題に上がった夏葉社の島田さんと秋月圓の秋さんのトークイベントを、8月9日の金曜日の夜にオンラインで視聴しました。歌集を作って、売る。自分のやっていることをガッと支えてもらったような、強い励ましの言葉をいくつも受け取った夜でした。


京急富岡駅前


親父がやっと退院して、疲れ果ててうつ伏せで飲んだハイボール


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