2025年2月27日木曜日

【日記52 ツール・ド・松山編3】今治の夜〜また今度来た時




さて、夜だ。
今治の夜。飲もう。飲みに行こう。
旅先で知らない店に飛び込むことほど、脳が働く瞬間は自分にはない。まぁ、普段からあまり頭を使ってないからかもしれないが、それはさておき、知らない土地で、交差点のたびにどちらへ行くかを決め、路地の先に目を凝らし、通りの雰囲気や店のたたずまいに五感の全てを開く、なんなら第六感まで解放するその瞬間、僕は少し発光しているかもしれない。
今回も自身を光らせつつ店を探し(とか言いつつ駅のど真ん前だったが)、ここだな、と狙いを定めてぱっと飛び込んだ。
だが、入るなり予約の確認。予約はしてないと伝えると、「1時間ほどでも大丈夫ですか?」と店員さんが申し訳なさそうに言った。入り口に近いカウンターの一番端に通される。まぁ、仕方ない。ぱっと飲んでぱっと食べて別の店に移ってもいい。何軒かはしごするのも好きだ。
でもね、まさか、17時半に入って、22時までいることになるとは思いもしなかった。

まず生ビールとお通し。僕の他にお客さんはテーブル席に1組だけ。なぜか厨房の奥のテレビで仮面ライダーBLACKが流れていて、それを眺めながらちびちびと始める。1時間ほどで出なければいけないとは思いつつも、初めから急ぎたくはない。
続いて鳥刺し三種盛り。ビールも追加。ささみワサビ、ズリ刺し、キモ。ささみはしっとり柔らかく、ズリはコリコリ、キモはとろっと口の中でとろける。どれも食感が違くて楽しい。食べる順番を変えてみたり、一緒に食べてみたり、箸が止まらない。ビール追加。

続いては本命の焼き鳥。
串打ちせず鉄板に押し付けて焼いた鳥皮は、弾力は保ちつつも、噛めばカリッと音が鳴るほどにパリパリ。塩とタレを選べたので、店員さんにどちらが良いか聞いてタレにした。正解。ほどよく甘く、濃い味のタレが染み込んで、あぁ、これは、白ごはん、欲しいなぁ。でも我慢。ビール追加。

時間の経過とともに、最初は2人だった店員さんが3人、4人、5人と増えた。それに呼応するようにお客さんも次第に増え、あとからあとから予約の人が現れ、ついに予約してない人を断らなければならない状況にまで店が混みだした。
ここらで18時半だ。たった1時間の間にお店は満席。僕も来るのが少し遅かったら入れなかっただろう。
混んできたし、そろそろ行かねば、とビールを飲み干そうとしていたら、「1時間ほどで」と最初に言った店員さんがカウンターの中から僕の方へ近寄ってきて、「あの、さっき、1時間ほどでって言ったんですけど、お時間大丈夫でしたら、良かったらまだ居ていただいて大丈夫です」と言ってくれた。

それならばと、もう食欲は止まらない。
せせり焼き。玉ねぎとポン酢でさっぱりとした味付け。タレのあとにはちょうど良い。

ひっきりなしにお客さんが入ってくるので、入り口に近い席だと寒い。じゃがいも焼酎という珍しいお酒があったので、お湯割りを注文。あったかい。

さぁ、まだまだいこう。軟骨入り月見つくねを頼んだが、ちょっと舌が回らなくて「南極入りつくねつくね」と発してしまう。でも店員さんは笑顔で「はーい」と言ってくれて、無事に軟骨入り月見つくねが届く。

僕が座っている席の横は、レジとドリンクを作る場所に近かったので、店員さんが待機する場所にもなっていた。おかげで注文はしやすいし、終わった皿もサッと下げてくれるし、「なんで仮面ライダー流れてるんですか?」という質問にも「店長の趣味です」と教えてくれた。

20時ごろ、お店の盛り上がりは最高潮に達していた。そしておそらくオーダーの数もピークだっただろう。一瞬も止まることなく全ての店員さんが動き続けていた。一つでも無駄な動きが入れば全てが止まってしまうような忙しさの極みの中、全員がそれを分かり、誰一人ミスしない。激しい動きの中にも、お皿を持ち上げる瞬間の慎重さ、丁寧さは欠かさない。腕はたった今やるべきことを行い、目は次に行くべき場所を見て、頭はその三手以上先へ行っている。

ちょっとだけ落ち着いたタイミングで聞いてみる。
「いつもこんなに忙しいんですか?」
「いつもですねぇ」
「予約しないと入れないですか?」
「ほとんど予約で埋まっちゃいます」
「うわぁ、じゃあ僕めちゃくちゃラッキーでした」
嬉しくてじゃがいものお湯割追加。
すると1時間の時間制限をなくしてくれた店員さんが、僕の前にお茶碗を置いた。
「鯛めしです。せっかく作ったんですけど全然出ないので、良かったら食べてください」
美味しかったなぁ、鯛めし。もう一度鳥皮を頼みそうになるも、我慢して紅生姜入りだし巻き玉子。巻き簾でキュッと形を整えていたが、箸でつかむと崩れるくらいほろほろ。たっぷりの出汁が滴る。量もたっぷり。じゃがいもお湯割追加。
「出汁巻き量多くないですか?」
店員さんが話しかけてくれる。
「私もよく賄いで出汁巻き食べるんですけど、結構お腹いっぱいになります。大丈夫ですか?」
「美味しいからいくらでも食べれます」
なんて、所々で会話も盛り上がる。じゃがいもお湯割追加。
「旅行でいらっしゃったんですか?」
「そうです、東京から陸路で。今日着いて。今治ご出身ですか?」
「あ、私は大学で岐阜からこっちに来てて」
ちなみに鯛めしをくれた店員さんは今治出身だった。

1時間だけって言われたのに、つい食べて飲んで22時。
2軒目はまた今度来た時にしよう、って思いながらホテルに戻った。
外は雪がちらついていた。


今日、岐阜を通ってきたと伝えれば雪でしたかと普段の声に
/杜崎ひらく




















2025年2月20日木曜日

【日記51 ツール・ド・松山編2】しまなみライナー〜巨大スクリュー



今治行きのバス「しまなみライナー」の停留所にはすでにバスが来ていた。
すでに何人かは荷物を預け、乗り込んでいるようだった。
僕も焦って荷物を預けようとしたが、運転手さんが「広島行きです」と言った。その瞬間、慌てて近くにいた女性がスーツケースをバスから降ろした。近くにいた人が「あぶなかったね」と声をかけていた。僕も乗りかけていたのであぶなかった。
そのバスが出ていき、すぐにもう1台バスがやってきて、これがしまなみライナーだった。
慣れない「バスもり!」というバスの搭乗券アプリを運転手さんに見せると、「降りるときでいいですよ」とのこと。運転席後ろの椅子に座る。雪が勢いを増している。ロータリーに吹き込む風に、雪も丸く渦を描いている。

バスが走り出すと、不思議と雪が止んだ。
雪のしまなみ街道も良さそうだな、と思っていたが尾道に着く頃には日が射して、いよいよしまなみ海道に入っていく。
遠くに緑や青の混じったような暗くて分厚い雲が見えつつも、バスの窓辺は日射しで暖かい。左側は晴れているが、右側は曇っている。狭い範囲で天気が違う。空や海で起きている現象が、町や県の単位ではない。刻一刻と変わる。おそらく風のせいだ。バスの窓に当たるすさまじい風の勢いが、音で分かった。

しまなみ海道は、広島県の尾道と愛媛県の今治を結ぶ自動車道。親父が走った道とはおそらく違うだろう。しまなみサイクリングロードというものが別にあり、島の地面を走ったはずだった。四国と大島を結ぶ来島海峡大橋のケーブルの橋を定着するアンカレイジの写真を父は撮っている。コンクリートのはつりを請け負う会社にいた父は、その巨大なコンクリートの塊に驚いたことだろう。島を伝って海峡に橋を架けた人間の仕事に、親父はきっと感じるものがあったのだと思う。


自転車で父は渡った海道を息子はバスで、自転車屋なのに
/杜崎ひらく


多島美と呼ばれる、瀬戸内海の島々の風景。
空にも同じように、たくさんの白い雲が浮かび、その一つひとつが島のようだった。
大きな海をその下に持つ空の、雲の色ってあるんだなぁ。
遠くに見えるのが山並みかと思えば島の陰で、初めての光景に、体が回路をつなぎ直しているような、プログラムを書き換えているような感覚があった。

親父が海峡を渡るのにかけた時間の何十倍もの速さで、バスは、四国に上陸した。
14時44分、時刻表通りに今治駅前に到着。
晴れてるのか曇ってるのか、快晴かと思えば雪がちらつく。日がかげり、雪が止んだと思ったら、今度は快晴のまま吹雪く。不思議な天気の中を歩いた。
今治港、今治銀座、息が止まるくらいに強い風が吹き付ける中を歩きつつ、今夜の飲み屋を探す。Xで今治の居酒屋について誰に聞くともなく訊ねてみると、嬉しい返信がある。教えてもらったお店は距離が離れていて行けそうになかったが、鳥皮を串に刺さず鉄板で焼いた焼き鳥が名物だと教えてもらう。
今夜はそれが食べられる店に行こう。
そう決めて、強風から逃れるために初日の宿に荷物を下ろすことにした。
市役所前には巨大なスクリューのオブジェがそびえ立っていた。大型コンテナ運搬船に搭載されたものと同じらしい。市役所の庁舎や公会堂、市民会館は丹下健三の設計によるもの。

そういえば今治港にも船を模した建物があり、船のチケット売り場や待合室、コーヒースタンドやコミュニティFMのスタジオがあった。
今治は意外と建物が熱いのかもしれない。明日も少し、歩いてみようと思った。



2025年2月15日土曜日

【日記50 ツール・ド・松山編1】のぞみ21号〜雪が舞っていた



2月4日、朝9時37分、品川発の「のぞみ 21号 博多行き」に乗り込む。
通路側の席に座り、30Lのデイパック1つにまとめた荷物を足の間に置く。
そして、スコン、と寝てしまった。ふと目が覚めて顔を上げると、車両の前の電光掲示板に「ただいま豊橋駅を通過」という文字が流れた。神奈川も静岡も丸ごと寝たようだ。とか思っているうちにまた寝落ちして、ぼんやりとした意識の中で、今度は三河安城通過のアナウンスを聞いた。名古屋駅で降りる人たちが準備を始め、そのちょっとした騒がしさにようやくすっきりと目が覚めた。
名古屋を出た新幹線は岐阜に入っていく。
小さな窓に通路側から目を凝らせば、外は雪景色。僕にとってこの冬初めての雪景色だ。東京は昨年末からなんとなくずっと暖かくて、雨も降らないせいで、地面に着く前に消えてしまうような本当の粉雪と2回ほど出くわしただけだ。雪の白さに目が洗われるようで、眠気の最後のひとかけらもどこかへ消えていった。


今回、愛媛県の松山へ行くことにしたのは、11月に亡くなった親父の故郷へ久しぶりに行きたいと思ったから。松山へはこれまでに2回、2012年と2017年に、いずれも親父とは別に訪れている。その際、父が行きつけにしていた飲み屋にお邪魔させてもらい、そこの大将にとっても良くしてもらった思い出がある。父が亡くなった日に大将とは電話で話したが、いずれは直接言いに行かなければなと思っていた。会社を辞めることにして、それで得た有休消化期間だ。不意に手にした「暇」は、こういうことに使わなければと思った。

ただ、松山へ行くにしても、なんとなく飛行機は使いたくないなぁ、と思っていた。
親父は松山へ帰るたびに、しまなみ海道を自転車で渡った、尾道から島へフェリーに乗った、サンライズ瀬戸のA寝台に輪行の自転車を置くとベッドから足を下ろせない、松山の海で記念写真を撮ったなどと、鉄道、自転車、船、バス、といろんな乗り物、そして自力で旅を楽しんでいた。その様子を本人から聞かされたり(僕があまり親父と話したがらなかったので、親父が一方的に喋っていた)、Facebookでの記録を目にしたりしていたので、きっと、そういう旅を自分もしてみたかったのだと思う。
まぁ、高所恐怖症なので単に飛行機が怖いというのも、ある。

でも、自転車でしまなみ海道を渡るのは、準備期間の短さからも無謀だし、サンライズの夜行も思い立った時にはすでにチケットは完売していた。
そこで考えたのが、行きは新幹線で品川から福山駅まで行き、バスでしまなみ海道を渡って今治、そこから予讃線で松山。帰りは松山から特急しおかぜで四国の上の海岸線を辿り、瀬戸大橋を渡って岡山、岡山から新幹線で東京。
これなら、しまなみ海道や愛媛の海岸、瀬戸大橋を通ることができる。親父が見たであろう風景の一端を見ることが叶うのではないか。
感傷的すぎるかもしれないが、親父がかつていた町やその町の海が、東京生まれ東京育ちの自分にも受け継がれていることを実感したかった。

13時3分、新幹線は福山駅に着いた。改札を出て、しまなみライナーの停留所へ向かう。
いくつもの停留所が並ぶ駅前のバスターミナルには雪が舞っていた。

遺された日記「ツール・ド・松山」に春のしまなみ海道のこと

米原の手前でこの冬初めての雪景色、点眼薬のよう

/杜崎ひらく


【日記49】親父の足跡〜夜はカレー




2月1日、どこへ旅に行くか決めたぞ。行き方も。親父の足跡をたどる、というほど大それたものでもないけれど、親父の故郷である松山へ七年半ぶりに行ってみることにした。
親父がFacebookに残した記録や写真から、故郷の松山にどんなルートで行っていたのかをなんとなく割り出した。この「なんとなく」というのが結構大事。
3泊4日の予定なので、急いでホテル3つと東京〜福山の新幹線、福山〜今治のバス、松山〜岡山の特急、岡山〜名古屋の新幹線のチケットを取る。


2月2日、気合を入れたいときにはささみカツ! ということで、いつもの飲み屋Tでタルタルソースもたっぷり添えて作ってもらう。旅に向けて気持ちが高まってきた。


2月3日、長旅に備えて整骨院でしっかり目に体をほぐして整えてもらう。なんたって、旅の初っ端から3時間26分の新幹線移動だからね。日頃の座りっぱなしぐだぐだデスクワークで座っているのには慣れているにしても、さすがにきついので念入りに。
夜はカレー。いい量の作り置きもできたので最高。


2025年2月13日木曜日

【月詠】「塔」2025年2月号

「塔」2月号が届きました。
今号では三井修さんの選歌欄に掲載いただいております。

病室をテレビの音でうっすらと満たして父は呼吸していた

一階へアイスキャンディー買いに行く 父のまばゆい作戦の下

父だけが東京生まれではなくて静かな海が満ちてきている

見るたびに青の勢い増してゆく来夏にマンション建つ土の上

いっせいに蛍が上がるまぼろしを見るためわざと運河を通る

「塔」2025.2月号

また、今号では12月の東京歌会記を担当しました。
会場が小学校の跡地だということを盛り込めてよかったです。

【日記48】空が晴れすぎている〜しまなみ海道のこと




1月14日、朝からまた横浜。処分するものたちを運び出す。空が晴れすぎている。


1月15日、「歌壇」2月号を持って、焼き鳥屋Sへ。カウンターで一人反省会。いろいろ飲み食いしるうちに、お店がそろそろ終わりそうな雰囲気だったのでお会計しようとすると、「まだ居ていいのよ、ゆっくりしてって」と女将さんが声をかけてくれる。何も飲まないで居座るのも悪いので三岳のロックを。ちっちゃい氷が2個だけになみなみ注がれたグラスが置かれる。酔っぱらっちまった〜、これはロックじゃない、ストレートだ〜、と帰り道、悔しい「歌壇」を握りしめてふらふら。


1月16日、年末年始に実家の青森へ帰っていた友人のお店へ行く。せんべい汁があって美味しい。温まる。せんべい汁うますぎ。てか友人が料理うますぎ。ちゃんと勉強も修行もしたんだもんなぁ。僕もこれからもう一度、自転車屋の修行をやり直すよ。
帰ったら塔が届いていた。


1月17日、家に帰ると松下育男さんの『詩の教室』が届いていた。最初のページからグッときてしまう。


1月18日、15時くらいから焼酎のソーダ割りにレモンを絞る。レモンがあるだけでQOLが上がる!とか言って酔っ払っていた。


1月19日、京都では文フリ京都が。1年前に参加して以来、行っていない。来年は行こうかな、なんて思いつつ、東京歌会に参加。


1月20日、次の仕事が決まり、今の会社の退職日が決定。もう一度自転車屋さんのスタッフに戻ることに。


1月21日、ポテロングが美味い。昔から好きで、見つけると必ず買ってしまう。なんだろう、あのスカスカ構造なのに歯ごたえがあって、絶妙に美味しいんだよなぁ。3箱くらいいっぺんに食べたって良いんだけど、なぜか毎回ひと箱に抑えている。今日も焼酎のソーダ割りにレモン絞って。


1月22日、お昼にたまに職場でカレーうどんを作る。今日はどん兵衛のきつねうどん(特盛)にセブンイレブンの箱のキーマカレーを。和風の出汁とキーマが合わさってなんとも言えない美味しさ。豪華な昼ごはんだ。


1月23日、引き継ぎをしつつ有休の消化が始まる。調子に乗って、昼からいつもの飲み屋Tへ行く。


1月24日、せっかくの有休を無為に過ごしてはならないと、やりたいこと・やるべきことをノートに書く。

◆やるべきこと
・机の上の整理
・衣類の整理
・書類の整理
・髪を切る
・歌集の発送
・免許の更新

やりたいこと
・旅!(関西方面、京都や大阪らへんかなぁ)
・今年の歌集を作り終える
・スマホを変える
・体重を落とす

こんな具合。大きいことはあんまりない。


1月25日、歌会の会場として使わせてもらっているありがたい飲み屋Sへハンバーガーを食べに行く。知らない間にセットメニューができていて、こんなにお得に食べれちゃって良いのかよ、と思いつつも注文。ハイネケンを瓶で2本飲む。途中でやって来た知り合いがみかんを持って来たので一つもらう。半分はその場で食べて、半分は持って帰った。鞄を持ってなかったので、手で持って帰った。


1月26日、翌日歌会、2回目の吟行。今回は、浜松町駅から東京タワー、汐留のイタリア街、竹芝桟橋のルート。そのあといつもの会場に戻り、歌会を。久しぶりに見た東京タワーは相変わらず真っ赤っかで、青い空によく映えていた。
竹芝桟橋から海を眺めたら、急に島に行きたくなった。有休中の旅の行き先は島にしようかなぁ、なんて。神津島とかどうだろう。小豆島や直島、瀬戸内海もいいなぁ。


1月27日、竹芝桟橋の客船ターミナルにあるお土産屋で、吟行中にも関わらず、そして主催にも関わらずいの一番にカゴを持ってお土産を買い始めた僕ですが、その時に買った「小笠原パッションフルーツジュース」を夜に飲んでみた。すっぱくって美味し!


1月28日、今度は仕事で調布へ。
その途中で『私が諸島である カリブ海思想入門』を読み終える。書店でこの本を見た時、カリブ海地域について、知らないことが多すぎると思ったのが購入のきっかけ。タイトルと表紙に惹かれたのも大きい。カリブ海の歴史だけでなく、それが現代にどう影響してきているのか、そこで生まれた文化や文学は、自分たち(カリブ海地域、クレオール文化)をどう見つめ、どう捉えているのかが興味深かった。そして何よりも、将来に繋がるのかわからない、読者がいるのかわからない、そんな孤独の中で、自分のやりたいことを信じて、この日本で、日本語でこの本を書き切ってくださった著者に敬意を表したい。
中村達さんの切り開いた航路を、これからも大切に読みたい。


1月29日、今日で出社は終わり。駅から朝6時の朝焼けを眺めるのもこれで最後かもしれない。
仕事の後にもともと同じ事業部だった人と飲み会。


1月30日、今日から2週間半ほど休暇。めちゃくちゃ洗濯をする。そして昼も夜も飲む。


1月31日、いろんな島を調べる。瀬戸内海や、東京など。広島の厳島神社に行ってみるといいなぁなんて思いつつも、どうもしっくりこない。うっすらと、松山かなぁ、なんて思っている。父親の故郷だ。でも、島も見たいんだよなぁ、で、ふと思いつく。しまなみ海道のこと。


【日記47】元日〜思いつつ



1月1日、元日。結婚記念日である。毎年買っている押田洋子さんのカレンダーを2025年の新しいものに掛け替える。1月の絵はパリの緑あふれる地下鉄の入り口。素敵だ。
コーヒーを淹れて、年末から読んでいる吉川宏志さんの『雪の偶然』を。
11時ごろにお雑煮を作って食べる。年末に買っておいた日本酒も開ける。
少し散歩をして、ネプリ「ひととせ」を出してくる。


1月2日、朝に地元の神社に初詣。お稲荷さんの鳥居の脇にセンリョウが赤い実をつけている。帰ってから中村達さんの『私が諸島である カリブ海思想入門』を読む。夕方からは実家へ。すき焼き。一年に一回の、ありがたいすき焼きである。


1月3日、妻の実家へ。義父が昔から大事にとってあるボードゲームで遊ぶ。そして、人生初の花札を。月見で一杯が出来上がって喜ぶ。


1月4日、いつもの飲み屋Tが仕事始めのため、昼から押しかける。13時から飲むビールってなんでこんなに美味しいんでしょうね。まぁ、夜のビールも美味しいけどさ。分厚い豚ロースでポークジンジャー作ってくれて、デミグラスソースでもはや姿が見えなくなって「おーい、ハンバーグさーん、どこー?」なんて声かけそうになっちゃったハンブルグステーキ!もいただく。


1月5日、新年最初の歌会へ、念願の風凛歌へ。一部は歌会、二部は新年会。とある歌人が腕を振るってくれて、出てくる料理がどれも絶品。日本酒の品揃えが抜群のお店だったので、歌会の最中から少しチビチビといただいてました(主催者からOK出ていたので)。でも食事中はほとんどビールだったな。なんたってブラウマイスターなので、美味しくて美味しくて、つい何杯も。その都度、しっかりと丁寧にサーバーから注いでくれた店主の青山さん、ありがとうございました。
そしてピアノでの生演奏ライブ。途中、親父のことを思い出して泣きました。でも、涙を見られたのが、その日そこに集まっていた人たちでよかった。涙腺がこのところやばいですね。


1月6日、仕事始め。特に仕事始めらしい慌ただしさも、逆にまったりさもなし。夜にアイス買って食べる。


1月7日、なんもない日。写真も撮ってないし、予定も書いてない。


1月8日、お店の閉店作業のため横浜へ。少し早く行って、川を見る。いつも橋の上を通るだけだったので、川岸に降りて、近くまで行ってみた。光がたくさんある。冬の光。


1月9日、引き続き横浜。
お昼はフードコートで讃岐うどんを。鶏天を入れて天かすと胡麻を大量にかける。
19時前に地元に帰ってこられたので、ビール。


1月10日、動き出さなければ、ということで、動き出す。退職の意向を伝える。


1月11日、夕方に急にハムカツを買ってきて、ふにゃふにゃになった衣をしっかり復活させてから、千切りキャベツやらマヨネーズやらをちゃんと用意して、すごく丁寧にハムカツを食べる。大家さんがくれた芋焼酎をソーダ割りにしてレモンを絞る。年末に買ったグラスがとてもいい。買ってよかった。嬉しい。


1月12日、塔の社員総会&シンポジウム。そう、塔は一般社団法人なので、社員総会があるのだ。総会は社員のみ参加なので、そのあとのシンポジウムから参加する。
シンポジウムの前半は雁部貞夫さんによる講演「青春のアララギー昭和短歌の確立ー戦後最盛期の選者たち」、後半は梶原さい子さん、宮地しもんさん、松本志李さんによる鼎談「2024年の歌集を読む」だった。
前半の講演は、僕の全然知らない時代のことで興味深く、雁部さんの語り口も軽快で、ちょっと裏話ありで会場には笑いが起こっていた。
後半の鼎談は好きな歌集ばかり。取り上げた歌集の著者の方も会場参加しており、例年にない参加人数で盛況だったようだ。

シンポジウム後は移動して打ち上げの会。雁部さんや歌集の著者の方々も参加して賑やかになる。初めて会う塔の先輩にも挨拶したりお話をすることができたりして宝物みたいな時間だった。主宰の吉川さんにもご挨拶できた。


1月13日、成人の日でありがたい休日。
昨日のシンポジウムや打ち上げでのことを思い出しながら、コーラにレモンを絞って飲む。そのうちお酒に変わるだろうなぁなんて思いつつ。

2025年2月12日水曜日

【日記46】冬の朝の手に〜アイーダ




12月20日、金田光世さんの歌集『遠浅の空』を読む。表紙カバーのない布張りの装丁が、冬の朝の手に温かい。1月に開催予定の塔の社員総会後に行われる歌集批評会で取り上げられる1冊。


好きな歌
遠浅の海は広がる生徒らがSと発音する教室に

老犬の目に朝方の空深く目礼をして職場へ向かう

群青ははげしき色と知りてのちはじめての夏が近づいてゐる

金田光世『遠浅の空』


12月21日、仕事で知り合った友人とラグビー観戦へ。ずっと一緒に観に行きましょうって言っていたので、念願叶ってやっと。大学選手権準々決勝、慶應vs帝京。近所のコンビニで缶ビールとつまみを買い込んで、日向の秩父宮ラグビー場の東スタンドへ。
試合は帝京の勝利。基本のプレー、そして体の使い方が異様に上手い。どの選手も体は張っているが、無理をすることがない。ただパスを回しているだけで大きくゲインできる。この強さは一言では表現できないし、どう培われているのか分からない。

試合の後は代々木駅までぶらぶらと歩く。焼きとんのお店に入り、小さなテーブルでレモンサワーを飲みまくる。そして満席の2階をたった一人で回すお兄さん。疾走感すらあった。

2軒目はもんじゃ焼き。友人とは仕事やプライベートのことなどたくさん話して19時前くらいには解散。健康的でいい。


12月22日、妻と互いのクリスマスプレゼントでも見に行こうと出かける。当初、妻はローファー、僕はスニーカーの予定でいくつか靴屋を見て回ったが、ズギュンとくるものがなく。ご飯でも食べますかねぇ、なんて言いながら歩いていると、どんぐり共和国を発見。一気にテンションが上がって、靴よりも熱心に見てしまった。結局、クリマスプレゼントはここで買おうということになり、妻はジジのタオルハンカチ、僕は耳をすませばコラボのRollbahnのリングノート。最高。

家に帰ったらクリスマスパーティー。サラミやオリーブ、サンドイッチでオードブルを作り、バターコーン、そして買ってきた流氷ドラフトは半分凍るくらいに冷凍庫で冷やしてマジの流氷みたいにして飲んだ。メリークリスマス。


12月23日、「ねむらない樹」をゲット。笹井宏之賞発表号。


12月24日、転職先探し。ここはどうだろうか、という自転車店を見に遠方まで。小さいけれどいいお店。入店するとすぐに声をかけてくれて、何を探しているか、どんな用途か、など購入をサポートしようとする姿勢が良い。口調や態度、表情も柔らかい。自分が働いたらと想像した時、うん、いいかもしれない、とも思った。

それで嬉しくなったからというわけではないけど、地元のいつもの担々麺屋Sでメガハイボールと角煮、正油ラーメンを食べて帰る。こちらは先ほどの自転車店とは打って変わって、入店するなり、僕の顔を見た大将が笑いながらため息。

大将「言いたいこと分かる?笑」
僕 「え? 何ですか?」
大将「クリスマス・イブだよ」
僕 「あぁ、そうですね。メリークリスマスです」
大将「一人でラーメン屋に来て、何やってんのよ。笑」

妻とは日曜日にもうクリスマスやったし、平日は割とそれぞれで過ごすので特にクリスマスだということを意識していなかった。いいじゃないか、クリスマスにラーメン食べに来たって。あなたのラーメン美味しいんだよ。


12月25日、なぜか実家に行くことに。実家でチキンをほぐしたサラダとチーズフォンデュ。割と手間なくできるので良い。メリークリスマス。


12月26日、お店の棚卸し。


12月27日、仕事納め。自分は年末のバタバタ感もなく、すんなり終了。なんともあっけない感じだったけど、それでいい。定時即退勤、本屋に寄り、中村達さんの『私が諸島である カリブ海思想入門』を買い、妻といつもの飲み屋Tで合流。夫婦の忘年会。今年もお疲れ様でした。


12月28日、仕事はなくても5時起きは変えない。午後にもう缶ビールを開けて、「ねむらない樹」をゆっくり読み返していたら、久しぶりの友人と会っていた妻から連絡。一緒に飲もう、と。「え〜、邪魔じゃないの〜?」とか言いながらもう着替えはじめてる、おれ。
久々に会ったら全然変わってなくて、むしろ何かが加速してる感じがして良かった。自分が自分のまま生きていても大丈夫な環境を作ることって大事だし、なかなかできることじゃない。


12月29日、徹底的に風呂掃除。


12月30日、朝、5時半に起きて6時から妻と散歩。僕が普段の出勤の時に見る夜明けの空を見せたかったのでこの時間に起きてもらった。
家に帰って、徹底的にレンジフード掃除。


12月31日、お昼過ぎに近所を散歩。公園のヒマラヤザクラが咲いていて、メジロがたくさん集まっていた。駅の近くのスーパーで食材を買い込み、帰り道のコンビニで缶ビールとファミチキ。公園のベンチに座って休憩する。大晦日だというのに陽射しがあって暖かい。
夜はたくさんつまみを用意して、飲みながら、紅白と孤独のグルメとを行き来しながら過ごす。7時半くらいにお蕎麦を茹でて、野菜をたっぷりと入れたあったかいつゆで年越しそばを。
お腹いっぱいで早々に布団に寝転がっていたが、ジルべスターコンサート『アイーダ』の凱旋行進曲の最後の最後、年明けのカウントダウンが始まったあたりで起きる。バーン、ハッピーニューイヤー!コンサート大成功!の数秒後に寝落ちした。


2025年2月9日日曜日

【日記45】数年ぶりのコメダ〜小石川植物園




12月11日、数年ぶりにコメダ珈琲へ。いつの間にか席からアプリ注文できるようになっていて、戸惑いつつもじっくり選べて良かった。夜は仕事の取引先さんと忘年会。


12月12日、出勤時、とても寒くて、つい途中のコンビニでコーヒーを買う。コンビニのコーヒーマシンに戸惑うこと10秒、なんとかコーヒーを手にして出社。


12月13日、年末年始のごみ収集の日を入れた1ヶ月間だけのカレンダーを作る。イラレの無駄遣い、いや、有効活用。ラミネートを施し、マグネットシートをつけて、冷蔵庫に貼る。


12月14日、父の納骨。お寺でじっと座っているには寒い、寒い日だった。止まっていた日記を再び書き始める。日記上では僕はまだ徳島にいて、日常に帰ってきていない。現実に追いつくために、まずは塔の月詠を日記に。


12月15日、年内最後の東京歌会。歌会記の担当になったので、メモに忙しい歌会となった。歌会のあとは忘年会。先輩や選者の方とお話ししたり、とてもいい時間となった。二次会で黒ビールを飲んで、明日会社行きたくないモード。地元のコンビニで缶ハイボール追加。


12月16日、いつもの飲み屋S。焼きそばと瓶ビールで俳句同人リブラによる「天秤」第二号を読む。メンバーそれぞれの影響を受けた二句を語る座談会から、新作十句、自選十句、連作について語る評論。メンバーの原点やルーツ、これから目指すところが紙幅いっぱいに語られている。新作だけでなく自選が味わえるのも良い。


12月17日、地元(実家の方の)で唯一の友達Wと待ち合わせる。親父が亡くなった日に駆けつけてくれて会ったのも久しぶりだし、飲むなんて数年ぶり。散々親父のことを(愛をもって)ディスって、テンション上がりまくって、カラオケへ。Wとは飲むといつもカラオケ行っちゃう。二人でチャゲアスの「On Your Mark」を歌った。懐かしいね、僕がジブリが好きすぎて『On Your Mark』のVHSを買ってもらって、それをウチで二人で観たね。何度も。あれはたぶんまだ小学生だったと思うな。小6くらい。大人になって自分たちで歌ってみると、すごい歌詞だよ本当に。


12月18日、ふと、明日、いつもとは全くちがう電車と路線で会社へ行ってみることを思いつく。


12月19日、家を出た時、小さな雪がほんのわずかだけ降っていた。それでも昨日の思いつきを実行!都営三田線の春日駅から巣鴨まで。途中で小石川植物園に行き当たる。長い外塀を伝っていった。

【日記44】まぼろしについて〜大根でバント


早月くら『あるいはまぼろしについて』


吉村のぞみ『あったかい虚空』


12月9日、店舗での棚卸し作業のため、朝から横浜へ。1時間前くらいに駅について、カフェでトーストとコーヒーを朝ごはんにしながら、文フリで購入した早月くらさんの『あるいはまぼろしについて』を読む。
『あるいはまぼろしについて』はウェブサイト「詩客」での連載を中心にまとめられた詩歌集。表紙を開くと、遠い宇宙のような、きらきらと光沢のある紺色の遊び紙。これから始まる世界の入り口のよう。巻頭歌で、ここに書かれているものがぱっと示され、目次の前にもう水切りのひと跳ね目のように始まる。


◆好きな歌
翳りゆく窓を背にしてわたしたち言葉のはじまりを見せあった

きっかけは忘れたけれどこの秋もあなたの庭の柿の山分け

世界はとてもうるさい待合室だからどうか合図を見逃さないで

春の高架下とうつつの遠いこときみに落語を教えてもらう

早月くら『あるいはまぼろしについて』


一連としてなら「氾濫/夏の薔薇」という作品が好き。
この作品から、ページの端ギリギリから詩が始まるので、めくった途端、〈過去に戻りたいか〉ときて驚く。心掴まれる。そして、巻末歌で、水切りの石が届いたような、でもそれは途方もない旅だったような、そんな感じ。石が削れてしまうほど。見た世界を言葉に変換しているというより、世界を言葉そのものとして捉えているような感じがする。言葉の意味や読みだけでない関係性で。またゆっくりと、何度も、水切りのひと跳ね、ひと沈み、水しぶきを楽しみたい。


12月10日、今日は昨日と変わって会社へ。通勤中に吉村のぞみさんの『あったかい虚空』を読んでいた。
まあるい人がカップ麺を見つめる表紙が、まるで誰かがこの歌集を開いてくれるのを待っているよう。カップ麺が出来上がるのを待つみたいに、楽しみにしつつ、ちょっと焦れつつ。


◆好きな歌
弟はひとりで世帯主となりときどき葱を買っているとか

氷穴の仕組みじゃなくて氷穴に誘っていいか聞いてるんだよ

あのねえ、で始まる電話は長くなる傾向にある(わたくし調べ)

弔という字の左右差は残された人の心のようだと思う

吉村のぞみ『あったかい虚空』

◆もっとも好きな歌
ほどほどの似合うわたしだ大根を送りバントのように構えて

同上


現在に近い日常の前置きがあって、学生時代を回想するように、教室や友人や恋のこと。連載マンガも初期から画風が変わるほどの月日を人と共に重ね、そして、職業詠へ。大根をバットがわりに送りバントの構えをして見せる、それが自分なんだという主体の、そしてそんな主体を描く作者の、ままならない人生への讃歌と思う。


【日記43】文学フリマ東京〜紙コップに注いで



12月1日、文学フリマ東京。東京ビッグサイトで行われる初めての文フリ。交通手段がモノレールではなくりんかい線になったため、車内での異常な混雑に見舞われることもなく駅に到着。駅からビッグサイトまでは7〜8分かかるので、戦いの舞台へ向かう感じがあって好き。
最後に来たのはいつだったか。10年以上前のデザインフェスタが最後だったろうか。一目惚れして買ったカバンをいまだに持っている。青いレザーのクールなカバンだ。

ビッグサイトの中は12月だというのに開場前から暑かった。空調が効いているせいもあるが、すでに人の熱気が立ち込めて、僕は早々に上着を脱いでTシャツ姿で自分のブースの設営にあたった。
隣のブースには隣接を申し込ませてもらった鈴木ベルキさんがいるので心強い。彼は私家版の第一歌集『拾わないコイン』と、歌集を作るにあたってnoteに書いていた歌集作りの記録に加筆したエッセイもブースに並べていた。
自分は既刊の3冊とXで募集した質問に陽気に答えたフリーペーパーを。

13時ごろからは小俵鱚太さんも合流して、今年7月に書肆侃侃房から刊行された第一歌集『レテ/移動祝祭日』を、僕のブースで手売りしてくださった。

僕は何度かブースを離れて会場を回ってみたが、詩歌の島を見て回るのがやっとだった。とてもじゃないが全体を回りきることはできなかった。人、人、人、でものすごい混雑だった。
それでもどうにかこうにか欲しいものを手にいれる。

文フリを終えて、仲間たちと打ち上げへ。
文フリに参加し始めてから、ほぼソロ参戦だった僕は、これまで一度も出店者同士で打ち上げをしたことがなかった。だから打ち上げが初めてで、とても嬉しかった。


12月2日、有休を取った。文フリ翌日だったこともあるが、役所でしないといけない手続きがあったので、午前中には家を出る。昼前には済み、とは気楽なday off。地元の飲み屋Tへ行って「平日の明るいうちからビール飲む」をやる。本当にいい歌ですよねぇ。


12月3日、仕事中にインスタを見ると、友人のお店でおでんを出すと知り、仕事帰りに寄ってみた。脇目も振らずに帰って、おでんと瓶ビール。


12月4日、仕事帰りに銀狐へ。僕はいつも鶯谷から歩いていく。そして銀狐でもおでんがあったので、2日連続とはなったが、いただいた。文フリでブースも出していたのに挨拶できなかったことを詫びつつ、手にすることのできなかった「うたよみ」第一号を買うことができた。


12月5日、いつもの飲み屋Tへ。


12月6日、仕事帰りにコンビニで唐揚げくんと缶のハイボールを買って飲みながら帰る。でもなんだか物足りなくて、結局は今日もいつもの飲み屋Tへ。今日の金曜ロードショーは『ホーム・アローン2』らしい。クリスマスが近いからだろう。何度か観たことはあったが、主人公のケビンが家族とはぐれてNYへ行ってしまうまでの、ごったごったしながらも無断のない流れるような展開と演出と疾走感には毎回圧倒される。


12月7日、実家で髪を切ったあと、奥さんと日本橋の傘専門店「小宮商店」へ。職人さんの作った傘を見てみたくて、あわよくば買いたくて。いろいろな商品を手に取りながら店内を見て回る。広げてもいいということだったので、独自構造の折りたたみ傘を開いてしまって元に戻せなくなり、親切な店員さんにレクチャーを受けながらなんとかたたむ。とてもいい傘。たたみ方も美しくて気に入ったが、今日は我慢して店をあとにした。
なんとなく浅草橋まで歩き、居酒屋に入って奥さんとひとしきり飲む。地元に帰ってからも飲み、家について、明日の翌日歌会の準備。


12月8日、翌日歌会。テーマは「動物」の詠み込み。歌会のあとはみんなで買い出しに出かけ、会場をそのまま使っての忘年会。近所のスーパーで買い込んだ惣菜を紙皿に出して、缶ビールやお酒を紙コップに注いで、というのがパーティー感があって嬉しい。
少し早いけれど、2024年の翌日歌会締めくくり。ありがとうございました。


2025年2月1日土曜日

【日記42】ポインセチア〜コーラサワー



11月25日、会社の営業さんが、お得意先の農園さんでポインセチアを頂いてきたので、うちにひと鉢持って帰ろうかと検討するも、諦める。綺麗に赤く染まっていた。


11月26日、文フリ迫る。


11月27日、仕事帰りにローソンで唐揚げくんとサッポロ冬物語を。まぁ、冬なんだろうけど、冬っぽくない気温の日々が続いてますよねぇ。


11月28日、普段の日記とは別に父についての日記を投稿した。


11月29日、ハン・ガン『ギリシャ語の時間』を読み始める。主人公の二人がゆっくりと、道に落ちた影が重なるみたいに近づいていくのが胸に響いたな。


11月30日、いよいよ文学フリマ東京が明日に迫る。Xで募集して集まった質問に答えるフリペのレイアウトをして一気に印刷。それ以外はほとんど準備もなく。夕方は妻とちょっとだけ長く散歩。スーパーでカレーパンとネトフリコラボのコーラサワーを買って、飲み食いしながら帰る。