夏祭りで立ち食い、立ち飲み9月14日、地元の神社の例大祭があり、夕方ごろからちょっとビールを飲みに行く。境内の出店で売ってるお酒は割高なので、近所の酒屋さんで買って持ち込むことに。まずはいつものようにお参りをして、さぁ、いざ酒のつまみを!ということでお好み焼き。夏祭りの屋台で買うお好み焼きってなんでこんな美味しいんでしょう。境内の端っこに寄ってビール飲みつつお好み焼きを頬張る。薄く焼かれた生地を割り箸で切れないので思いっきりかぶりついてるところに隣の家の人が通りかかって手を振ってくれる。お好み焼きの後はまた出店に戻り、次は焼きそばを。『ハチミツとクローバー』で、手持ちのお金を何に使うか悩みに悩んでいる学生たちを眺めつつ、惜しみなくお金を使ってつまみと酒を買って悠々と楽しみ始める真山と花本先生を思い出した。
そのあと、物語の終盤で、竹本くんが高い塔を作るにはそれよりも高い足場が必要なんだって気づくシーンがめちゃくちゃ好きだということを妻に熱く熱く語った。
9月15日、結社の東京歌会。18名が集まる。予備知識があって読むことと、予備知識があって読むこと、歌の味わい方や読み方にどんな違いがあるのか、そもそもどちらがより歌を楽しめるのかが僕としては気になって、この先よくよく考えていきたい良い課題をもらった気がした。
歌会のあとはビールと決めてるので、次の歌会の会場として使わせてもらう友達の店に顔を出す。ちょっとのつもりが、すごい居ちゃう。瓶ビールなのがいけない!ちびちびやっちゃうじゃないか。
9月16日、18日から徳島へ行くことを先週の金曜日に決め、飛行機のチケットやら宿やらを取った。そもそも飛行機のチケットを自分で取るのも、一人で乗るのも初めてだったので、出発当日に迷わないために予行演習をしておいた方がいいと妻に言われて、一緒に成田空港に行くことにした。
まず、自宅から成田空港までが果てしなく遠かった。2時間ほどかかった。
駅から格安航空の国内線受付カウンターのある第3ターミナルまで歩きながら、そういえば7年前に松山へ行った時も歩いたなぁ、と思い出す。搭乗手続きの方法を確かめ、機内持ち込み手荷物のことを聞き、第2ターミナルでお土産を見て帰った。
9月17日、3連休明け、会社。明日から旅行に出かけるので、仕事が手につかない。飛行機に乗るのに失敗しないか、向こうに無事についても、バスや電車の乗り継ぎはうまくできるか、不安なことがたくさんあって、最終的に、もうどうにでもなれ!というところまで到達した。
9月18日からの徳島旅行はまた別に書きます。
僕が所属している結社の結社誌「塔」9月号が届きました。
今号では永田和宏さんの選歌欄に載せていただいております。
場外に溢れた日陰 ちぎられた入場券と千の日向へ
球場と自分の影を比べたいときの雲には泳法がある
穏やかな声が試合を見つめてる三人守る二つの日傘
白球と音がわずかにずれるから花火や父を思い出してる
よそ見した隙に振られたバットからその日一番の海が広がる
客席に飛び込むファールボールとか君からしたら僕はそんなで
「塔」2024.9月号
4首目の歌を、主宰の吉川宏志さんに取っていただき、百葉集への掲載と評をいただきました。
今回は珍しく吟行で作った一連です。5月に歌会の仲間たちと神宮球場に行き、外野スタンドで直射日光に焼かれて野球を観ながら、野球以外のいろんなことを思い出したり、感じたり、考えたりしたのでした。
ちなみに、金曜日の夜にいきなり角川短歌賞の発表がありましたね。
また頑張ります!
鈴木ベルキ『拾わないコイン』
小関茂『宇宙時刻』9月7日、いつも歌会で使っている場所が抑えられなかったので、力を貸してもらえないかと友人のお店に久々に顔を出す。
「ここで短歌の会やってもいい?」
「短歌ですか? いいですよ」
「10時すぎくらいから準備したいんだけど、めちゃくちゃオープン前だけど大丈夫?」
「前日からお酒抜いときます」
ざっとこんな感じで快諾してもらえたので、無事に開催できそう。
会場を押さえられて安心したせいか、それから良く食べて良く飲んだ。カウンターで隣に座った知り合いとも話が弾み、長居した。
9月8日、前日にちょっと飲み過ぎたせいか、朝から家のことをしつつもぼーっと過ごしていた。暑くて暑くてたまらなくて、本屋にでも行こうと思っていたのに外に出られず、日が傾いた頃にようやく近所のスーパーまで出かけてつまみだけ買って帰って来た。
9月9日、仕事帰りに、好きな本屋さんに取り寄せをお願いしていた小関茂『宇宙時刻』を取りに行く。お店に入るなり、カウンターの上にすっと本を用意してくれて、遠くから青い装丁が目に入った。綺麗な装丁。ブックカバーで包んでしまうのがもったいないほど。少し店主さんとも話し、僕の次の歌集の話に。毎年3月に作っているという話をしたら「それに合わせて何かやりましょう!」と言ってくださった。「頑張ります。そして、頑張れます」と僕は返した。
家に帰ったら鈴木ベルキさんの歌集『拾わないコイン』が届いていた。早速開けて、嬉しくて、京急富岡の瀾書店さんで奥さんが友達になった(購入した、の意)わんちゃんの置物と一緒に写真を撮った。
9月10日、お店の棚卸しに駆り出され、少し遠出。横浜の先の方まで行って、朝から黙々と自転車用品を数える。普段のデスクワークから解放されて、いい気分転換になった。少し早く地元に帰ってこられたので、コンビニでちょっと良い缶ビールと鶏つくね串を買って歩きながら食べる。いよいよ月詠の投函リミットが迫り、夜遅くまでノートに向かう。あと一首、決まりそうで決まらない。
9月11日、結社の歌会の詠草締め切り前夜である。やばいと思ってサイゼリヤへ駆け込む。困った時は、サイゼリヤに自分を閉じ込めて家に帰さない。どうにかこうにかひねり出して詠草受付担当者にメールで送り、ようやくちゃんと夕ご飯を食べる。
帰ってからは月詠。あと一首が決まらず持ち越し。
9月12日、月詠あと一首をひねり出すため、出社の際に一駅歩く。汗だく。ひねり出せませんでした。でも、仕事の休憩中と帰りにどうにかひねり出し、夜に清書。封筒に入れて、翌日出すのを忘れないようにテーブルに置いて寝る。
9月13日、大好きな女優・村川絵梨さんのお芝居を観に中野富士見町駅からほど近い「ニュー・サンナイ」へ。スナックや飲み屋が並ぶ地下にある、劇場とバーが併設されたお店。舞台と客席の席が近く、そして二人芝居ということもあって、「お芝居」というものを間近に感じられてすごくよかった。しっかり観たかったので、お酒は飲まずにコーラで我慢。特製ステッカーがもらえるというので、ポップコーン(800円!ラグビーW杯の時のハイネケンより高いっ!笑)も買ってしまった。でも良いお金の使い方だと思った。ひょっとして今日のこの観劇は推し活かもな、とも思った。村川絵梨さんと一緒に出ていた岸本鮎佳さんもすごく良くて、あぁ、ファンになってしまいました、という感じ。
帰って来たら「塔」9月号が届いていました。今回は5月の神宮球場での吟行で作った一連が載っているので、日記とは別に、またいつものようにブログに載せます。
9月1日、本当は京都にいるはずだった朝。台風10号はまだ列島上空に居座っていて、東京も雨が降っては思い出したように雲が晴れ、また突然降ってはしばらくサウナみたいに無風、という日だった。天候は悪くとも、昨日も天候が悪くてずっと家にいたので、思い切って外に出た。
歌集を置いていただいている「フラヌール書店」さんまで出かけていった。面展にまでしていただいていた歌集は残り2冊となり、店主の久禮さんにお礼を言った。
そしていつものようにまた棚の前をうろうろと1時間超、迷いに迷って『ボイジャーに伝えて』を買う。
「I'm here.」
「I'm glad you are there.」
私はここにいる。
あなたがそこにいてよかった……。
おそらく本文の一節だろう。帯に書かれたこの短いやり取りに惹かれて決めた。
読んでみたら、これはカート・ヴォネガット『タイタンの妖女』からの引用で、あぁ、読んだはずなのに忘れてるなぁ、と思った。でも、ところで僕はいったいいつ『タイタンの妖女』なんて読んだんだろう。多分、20代の最初の頃。学生だっただろうか。きっと実家にはまだ文庫本があるはずだから、帰った時に持ってこよう。
帰りは地元の焼き鳥屋Sへ。早い時間から一杯やっていると、外が土砂降りに。雨上がりを狙って帰る。まだ明るい。
9月2日、打って変わって朝から晴天。風が少し涼しい。これは、秋だ。
「ちょっとだけ持っててくれる?」と渡されたカバンが重くてまた好きになる/小俵鱚太『レテ/移動祝祭日』
歌集の中の「ロトンヌ」という連作から。ロトンヌは仏語で秋。〈カバンが重くてまた好きになる〉って、説明しにくいけどとても分かる気がする。不意に持った相手のカバンの重さに、その人自身に触れたように感じるからだろうか。そういえば以前、サイゼリヤでビールのジョッキを頼んでいざ飲もうとした時、軽すぎて腕が天井を突き破るかと思うくらい上がって、肩がすっぽ抜けそうになったのを覚えている。ジョッキがガラスからプラスチックに変わっていたのだ。危うくビールを天井に飲ませるところだった。
9月3日、仕事帰りに父の顔を見にいって、そのあと母と飲みながら話す。
9月4日、空と風が秋。夕方に角川俳句賞の発表があり、短歌の方はまだかーとなる。多分台風の影響で、選考会が遅れたのだと思う。
9月5日、取り寄せを頼んでいた本屋さんから「小関茂『宇宙時刻』が入ってきましたよ」と連絡を受ける。嬉しくてすぐにでも取りに行きたかったが、週末か週明けには取りに行くことを伝える。
9月6日、徳島への移住を考えている人向けのセミナーに参加。今まさにしっかりと移住を考えているわけではないけれど、今の東京での暮らしを変えたいと思っていたところへ、徳島の「泊まれる本屋 まるとしかく」さんの内田さんがプレゼンターとして登壇されると知ったのが参加のきっかけ。初めて直接話せる機会があったので、歌集を置いてくれているお礼を伝えられて良かった。プレゼンの内容もとにかく良くて、面白くて、あぁ、自分でも生きていけるぞ、と思えた。
帰りは21時を過ぎていたので、駅前のスーパーで30%オフのシールを今まさに貼られたばかりのお弁当を買った。ラッキーだね。